漏えい報道のあとに増える、なりすましメールと電話から、利用者さんと職員を守るために
個人情報の漏えいは、情報が外に出たことだけで終わりません。漏れた情報を使って、本物そっくりのメールや電話、SMSで人をだます「二次被害」が起こることがあります。実際に、GMOリサーチ&AIの発表でも、会社を装った不審なメール、電話、SMSへの注意が呼びかけられています。
漏えいのあとに起こりやすいこと
報道では、漏れた情報が悪用された場合に、フィッシング詐欺、不正ログイン、不正な決済、なりすましによる契約などの二次被害が起こるおそれがあると指摘されています。氏名や住所、電話番号、メールアドレスがそろっていると、本物らしい連絡をつくりやすくなるためです。
不審な連絡に気づくための、3つの合図
次のようなときは、一度立ち止まってください。1つ目は、「今すぐ」「本日中に」など、急がせる言葉が入っているときです。2つ目は、メールやSMSの中のリンクから、ログインや情報の入力を求められるときです。3つ目は、電話で、暗証番号やパスワード、認証コードを聞かれたときです。本物の会社は、こうした情報を電話やメールで聞き出すことは通常ありません。
もしも届いてしまったら
急がせる連絡ほど、あわてないことが何より大切です。連絡の中のリンクは押さず、いつも使っている公式のアプリや、控えてある電話番号から確かめるのが安全です。もし開いてしまっても、責められることではありません。パスワードを入力してしまったときは、すぐにそのパスワードを変更し、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えてください。

電話や訪問をかたる連絡にも気をつけて
メールだけでなく、役所や銀行、事業所をかたる電話や訪問もあります。「確認のため」と言われても、その場では答えず、いったん電話を切って、自分で調べた番号にかけ直しましょう。ご家族には、「ひとりで決めずに、まず事業所に相談してください」と伝えておくと心強いです。
被害にあったかもしれないと思ったら
身に覚えのない請求があったときは、すぐにカード会社や金融機関へ連絡してください。市区町村の消費生活センターや、警察の相談窓口に相談することもできます。早めに相談するほど、被害を小さくできます。ひとりで悩まず、まわりの人にも話してみてください。
利用者さんやご家族にも、事前にお伝えしておく
福祉の現場では、利用者さんやご家族が、こうした連絡をうまく見分けられないことも少なくありません。事業所のお便りや掲示板、ホームページで、「当事業所から、メールや電話でパスワードや暗証番号をお聞きすることはありません」と、あらかじめお知らせしておくと、安心につながります。
職員の間でも、「あれ?と思ったら、すぐに共有する」というルールをつくっておきましょう。間違えて開いてしまったことを、気軽に言い合える雰囲気が、いちばんの防御になります。私は精神保健福祉士として、個人情報保護士として、そうした安心できる環境づくりも、福祉ITパートナーの大切な役割だと考えています。