PHPを更新できないときの対処方法|古いサーバー・テーマ・プラグインの場合
PHPを新しい版に更新したいのに、できない。そんなときは、慌てずに、まず「なぜ更新できないのか」を整理しましょう。更新できない理由によって、取るべき対処が変わります。
この記事では、よくある5つの理由と、それぞれの対処方法、そしてどうしても今すぐ更新できないときの応急策を説明します。ニュースの全体像は【2026年10月】PHPの重大な脆弱性とは?をご覧ください。
理由1:サーバーに、新しいPHPの選択肢がない
管理画面でPHPのバージョンを選ぼうとしても、修正版のある系列(8.2〜8.5系)が見当たらない場合です。
- まず、契約中のプランで使える最新のPHPを確認します。プランによって、選べる版が違うことがあります。
- 上位のプランに変更すると、新しい版が使えることもあります。
- どうしても新しい版が提供されないサーバーなら、新しいPHPに対応したサーバーへの引っ越しを検討します。サーバーの比較はレンタルサーバー・ドメイン比較&契約サポートをご覧ください。
理由2:WordPress・テーマ・プラグインが、新しいPHPに対応していない
PHPを上げると、画面が真っ白になる、エラーが出る、管理画面に入れない、といったことが起きる場合です。
- まず、WordPress本体・テーマ・プラグインを、すべて最新の版にします。
- 開発が止まっているプラグインがあれば、代わりのプラグインに入れ替えるか、機能が不要なら使うのをやめます。
- 古いテーマが原因なら、新しいテーマへの変更や、ホームページの作り直しを検討します。
更新の前に、必ずバックアップを取ってください。可能なら、本番とは別の場所(テスト環境)で、先に新しいPHPで動くかを確かめると安心です。サーバーによっては、テスト用の環境を用意する機能があります。
理由3:制作会社が作った独自のプログラムが、新しいPHPで動かない
問い合わせフォームや予約・会員機能など、制作会社が独自に作ったPHPのプログラムが、新しい版では動かない場合です。
- 制作会社や、プログラムを作った人に、新しいPHPに合わせた改修をお願いします。
- 改修に費用や期間がかかる場合は、その機能が本当に必要かも一緒に考えます。たとえば、問い合わせフォームは、外部のフォームサービスに置き換えられることがあります(PHPのお問い合わせフォームはどうする?)。
- 作り直したほうが、結果的に安く済む場合もあります。
理由4:制作会社と連絡がとれない・契約が分からない
担当者が替わった、制作会社がなくなった、契約書が見つからない、というケースです。
- まず、サーバー会社の契約者(誰の名義か)と、ドメインの契約者を確認します。請求書やメールが手がかりになります。
- サーバー会社の管理画面にログインできれば、PHPの版を切り替えられることが多いです。ログインのIDとパスワードが分からない場合は、サーバー会社に、契約者本人であることを示して再発行の手続きをします。
- 事業所の中で、ホームページの管理者を決めておくと、次から迷いません。
理由5:更新して壊れるのが怖い
これは、とてもよくある不安です。次の準備をしておけば、怖さを減らせます。
- バックアップを取る(ホームページのファイルと、データベースの両方)
- 作業は、アクセスの少ない時間帯に行う
- 切り替えたあと、トップページ・主要なページ・問い合わせフォーム・管理画面を確認する
- 問題が出たら、元のPHPの版に戻せる状態にしておく(戻す方法も、事前に確認しておく)
自分で行うのが不安な場合は、制作会社や保守会社に依頼しましょう。費用の考え方は、PHPのアップデート費用はいくら?で説明しています。
どうしても今すぐ更新できないときの応急策
ここで紹介するのは、PHPの開発元が示している応急策です。公式の応急策は、完全な対策ではありません。更新できるまでの間、攻撃の経路を減らすためのもので、PHPの開発元も、更新が唯一の完全な対策だとしています。
意味が分からない設定は、ご自身で触らず、サーバー会社や制作会社、技術に詳しい方に相談してください。
技術担当の方へ:公式が示している設定の例
- CVE-2026-109618への対策として、
memory_limitを無制限(-1)にする。アプリケーション側で上書きできない形で設定します。あわせてpost_max_sizeを小さくし、Webサーバー側でリクエストの大きさなどを制限します。 - CVE-2026-109619への対策として、
session.upload_progress.enabledを0にし、すべてのPHPのプロセスを再起動します。PHP 8.5の場合は、fatal_error_backtracesを0にします。 - 設定は、リクエストの処理が始まる前に適用されるphp.iniやサーバーの設定で行います。ホームページのプログラムの中から設定を変える方法には、頼らないでください。
詳しい内容と注意事項は、PHP公式のGitHub Security Advisory(GHSA-w8hw-w9fx-j79w)とGHSA-6wmf-4rv5-p3rpをご確認ください。
そのほかにできること
- 契約しているサーバー会社が、不正なアクセスを防ぐ機能を提供していないか確認する
- ホームページへのアクセスを制限する、または一時的に公開を止める(IPAも、有効な暫定対策が難しい場合に判断するよう呼びかけています)
- 公開を止める間の連絡手段(電話・SNS・紙の案内など)を用意する
更新が難しい理由が解決できないときは
更新できないまま放置しないことが、いちばん大切です。更新を続けるための人・予算・体制の見通しが立たないときは、IPAも、移行、機能の縮小、公開の終了、廃止を含めて検討するよう案内しています。
選択肢の1つが、ホームページの作りそのものを見直すことです。たとえば、事業所の紹介が中心なら、PHPを使わない静的なホームページに乗り換えると、更新の手間をなくせる場合があります(WordPressから静的HTMLへ移行するメリット・デメリット)。ただし、乗り換えが向かない場合もあります。更新を続ける方法も含めた比較は、PHPホームページの更新・乗り換え方法を比較で説明しています。
すでにホームページが見られなくなっていて、今のサイトの内容を引き継ぐ必要がない場合は、連絡先と活動を伝える1ページを新しく作り直すホームページ再スタート(15,000円・税込)もあります。データ復旧ではなく、作り直しのサービスです。
更新できずに困っているときは、ご相談ください
「HP維持費削減診断」(0円)では、今の契約とサイトの仕組みを確認して、更新して続ける場合と乗り換える場合を比べます。乗り換えプランは49,500円〜です(PHPで動くフォームや会員機能、予約システムなどがある場合は個別のお見積りです)。診断だけでも大丈夫です。